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「免疫力高める」と使用拡大 |
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がんに効く、などと評判の健康食品が、日常生活での利用にとどまらず、医療現場で医薬品と併用される現象が起きている。
効く理由や臨床的な評価は十分解明されないが、効能を否定することもできない。
厚生省は、こうした医薬品との境界があいまいになりつつある健康食品に対して、効き目を評価し規制の対象に加えることが可能かどうか検討に入った。
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効能試験課す方法探る |
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古くからさまざまな健康食品があるが、最近は体から異物を排除し免疫能力を高めるものに注目が集まっている。免疫を高めることによって
「がんに効く」と健康雑誌やテレビ番組などで紹介されているのはキノコの一種「アガリクス」やミツバチの巣から採取される「プロポリス」、
エビの殻などを原料にしたキチンなど十数種類に上る。 副作用でつらい抗がん剤、放射線治療に比べて、これら健康食品は身体に負担がかからず患者の免疫力を高め、QOL(生活の質)も改善すると期待されている。 一方で、小林博・札幌がんセミナー理事長(北大医学部名誉教授)は、「一般的に言えば、健康食品は、だれにでも同じように効くわけではなく、それだけに頼るのは問題だ」と指摘する。 それでも、多くの医師が活用している健康食品もある。中でも話題を呼んでいるのは「AHCC」。札幌市清田区のバイオ会社アミノアップ化学(小砂憲一社長)が、数種類のキノコの菌糸を純粋培養して開発した。 同社によると現在、全国の医療機関500カ所で医師が患者に使用を薦めており、2万5千−3万人が常時使用しているという。 AHCCを多くのがん患者に”処方”している近畿大腫瘍免疫等研究所(大阪府大阪狭山市)の八木田旭邦教授は「NK(ナチュラルキラー)細胞という大型リンパ球を活性化させることで、免疫力を高めている」と効果を説明する。 がん治療には外科的治療(手術)、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療があるが、4番目の治療法と呼ばれるのが薬などで免疫力を高める免疫療法だ。 抗がん剤や放射線は、多かれ少なかれ、がん細胞を殺すと同時に正常な細胞も傷つけるが、免疫療法は正常な細胞にほとんど影響を与えない。「AHCCなどの投与も免疫療法に相当する」と八木田教授は言う。 平和病院(札幌市西区)の石塚玲器名誉院長も、自らAHCCの愛用者。1996年、進行性大腸がんにかかり、切除手術後、服用してきた。このがんの3年後の再発率は95.6%に上るが、その兆候はない。 「外科医として多くの患者を診てきたが、抗がん剤だけでは副作用は避けられない。がんを押さえ込むのではなく共存する気持ちでAHCCを飲んでいる」と語る。 ただ、健康食品は、メーカー自身が「がんに効く」などと宣伝して販売することはできない。効能をPRして販売するには、現状では薬事法で規定された医薬品として認可を受けるしかない。 それには、動物実験で効果と安全性を確かめた上で、実際に患者らに投与する試験も経なければならず、長い時間とコストが負担になる。 このため、規制を受けない健康食品のまま、医薬品並に利用されるケースは今後も想定され、厚生省は5月、「医薬品の範囲基準の見直しに関する検討会」を発足させた。 健康食品を薬事法の規制対象に含め、効能試験を課す方法がないか、などを協議し年度内にも結論を出す。 同検討会の委員でもある国民生活センターの板倉ゆか子商品テスト部調査役は「健康食品についての相談は、常に上位を占めており、安全性や効果の面で疑問も多い。いたずらな規制強化は問題だが、メーカーの情報開示を義務にすることも必要だ」と言う。 1999年(平成11年)9月1日(水曜日)/北海道新聞より |